金融商品のコツ

日本人もお金についてもっと貪欲にならなければならない

金融商品の勧誘・販売ルールの見直し検討

金融庁が高齢者向けの金融商品の勧誘・販売ルールを見直すのだそうですね。

現行であれば75歳以上だと商品の販売には支店の課長など役職者による事前承認が必要で、80歳以上となると翌日以降にしか契約できないことになっているのですが、新ルールでは個々人の認知能力に応じて柔軟に対応し、80歳以上であっても当日に契約できるようにしていこうとする方針のようで、この流れが日本において長寿化が進むなか、「年齢」が投資のハードルになっている現状を改め、高齢者の資産形成を後押しすることが目的なのだそうです。

金融資産
高齢者の金融資産

現在のルールは2013年にできたもので、日本証券業協会の自主規制と金融庁の監督指針では高齢者向けの勧誘・販売ルールを設け、これに沿って証券会社や銀行などが社内規定を作っており、75歳以上の顧客には商品販売にあたって営業担当者だけでなく支店の課長などの事前承認を義務付けるなど慎重な対応を行っており、記憶力や理解力が低下した高齢者が金融商品のリスクを十分に理解せずに購入するといったトラブルを防ぐ努力を行っていました。

まぁ高齢者を狙った悪質な契約が増えてきていましたから、このような施策はとてもいいことなのですが、近年では認知能力がしっかりしていて投資経験も十分な高齢者にとっては投資がしにくくなるという弊害も指摘され始めていて、このため、金融庁は21年以降に高齢者がそれぞれ能力に応じて投資しやすくなるよう、日証協の自主ルールと監督指針を見直すのだそうです。

ルール変更の前段階として、金融庁は20年にシステム会社や証券会社と協力し顧客の取引動向の把握やデータを分析する実証実験に取り組み、人工知能(AI)を用いて取引動向を精査し、認知・判断能力が衰えていないと判断できる高齢者の属性などを特定するようですね。

75歳以上でも現役の経営者などとして働いていたりする場合、十分な認知能力があるかどうかなどを調べるということらしいですけど、これ本当に機能するのでしょうかね?

どんな基準を設けるのかわかりませんが、この調査をベースに、契約時の説明の理解力や動作などを含めて認知・判断能力があると判断できれば、事前承認を不要にしたり、80歳以上でも当日契約ができるようにしたりすることを検討しているそうですけど、これ、丸まる運転免許にも当てはまりますよね。

池袋の暴走事故で、2人死亡、9人が怪我をした事故での元院長なんかであれば、事故を起こしていなかったら当日契約ができたりしそうで、ちょっと怖いですよね。

通産省工業技術院で院長をしていたというだけで肩書ありということで「認知・判断能力がある」ということにもなりそうですし、この辺はしっかりとした定義を行ってほしいですよね。

金融庁は認知能力を判断する基準をつくる際には、恣意性を排除した内容となるよう医療機関などの協力を得ることも検討しているということですが、それだけではちょっと足りないような気がしますよね。

個人的には「高齢者を食い物にしよう」という風にしか聞こえませんし、実際のところ現行のままでいいような気がするんですけどね。

かんぽ生命保険の不正販売問題もあったように明らかに高齢者が被害にあっている状況の中でこのような発想に向かうこと自体が恐ろしいですよね。