金融商品のコツ

日本人もお金についてもっと貪欲にならなければならない

クレジット・デリバティブ

クレジット・デリバティブというのは、比較的新しい種類のデリバティブなのですが、デリバティブという名が付いているとはいえ、どちらかというと損害保険に近いもので、保険事故に該当するのは、対象となる経済主体の倒産。

クレジットデリバティブ
クレジットデリバティブ
保険というのは損害が出ることによって、その損害を補償してくれる契約で、まず保険料を支払わなくてはならず、保険事故が起きて損害が出ることによって、保険金が支払われる仕組みとなっています。

クレジット・デリバティブの発想も原則的には同じで、ある経済主体が倒産して損害が出ると、その損害を埋め合わせてくれるのがクレジット・デリバティブで、当然のことながら契約が無料であるはずはなく、保険料に相当する金額を払わなくてはなりません。

とはいえ、保険とクレジット・デリバティブには1つ大きな差があり、保険は、事故が起きると実際に損害を受ける人しか入ることができず、赤の他人の家を対象とした火災保険に入ることはできませんし、その家の住人に生命保険をかけることもできません。

ところが、クレジット・デリバティブの場合、自分に損失がおよばない場合であっても、取引が可能となっており、Aという国が倒産しそうな場合を例にすると、A国の発行している債券を保有している人は、クレジット・デリバティブの取引をする ことで、実際にA国が倒産したときに、その損害の埋め合わせを受けることができます。 つまり相手方から、損害に相当する金額、いわば保険金が支払われるのです。

ただ、A国のクレジット・デリバティブを取引するうえでは、実際にA国の債券を保有している必要はなく、A国の債券を持っていない人、A国が倒産しても損をすることのない人が、同じようにクレジット・デリバティブの取引をすることができるようになっています。