金融商品のコツ

日本人もお金についてもっと貪欲にならなければならない

マネックス証券とイオン銀行が協業強化

マネックス証券イオン銀行は、2024年に本格的に開始されるNISA(少額投資非課税制度)の口座獲得で協業を深めていくようで、複合商業施設「イオンモール」の館内で新NISA向けのセミナーを試行的に始めるほか、キャンペーンなどを共同で進めていくのだそうです。

新NISA
マネックス証券は24年1月までにイオン銀の投資信託保護預かり口座を承継し、共同で事業を開始するのだそうで、これを機にイオン銀の店頭などでの資産運用相談を通じ、新NISA活用の提案に力を入れていくのだとか。

イオン銀行の銀行口座数は832万(23年3月)、預金残高4兆3929億円で、クレジットカード有効会員数3091万人の顧客基盤を持っており、マネックス証券との提携により、両社共同でイオン銀行の顧客の資産形成に取り組んでいくようで、イオン銀行で取り扱われる投資信託の銘柄数は約300銘柄から1200銘柄に増加するなど、マネックス証の豊富な金融商品・サービスが利用可能となります。

また、イオン銀行の顧客で、資産運用の初心者や未経験層を中心に新NISAの活用を勧めていく方針で、イオン銀行の顧客層の7割近くが女性なのだそうで、これから本格的に投資を始める層が見込まれており、イオンモール館内を中心に全国140を超える店舗網を活用し、セミナーやキャンペーンを積極的に実施していくようです。

簡単な質問に答えるだけで最適な資産運用プランを提案し、全自動で運用を行うサービスの提供も検討されており、イオン銀行が発行する「イオンカード」による決済で投資信託の積み立てができるサービスや、日々の買い物でたまったポイントで投資信託を買い付けできるサービスも検討しています。

販売停止が相次ぐ仕組債

仕組債とは、複数の商品(株価、株価指数金利、為替、コモディティなど)を組み込んだデリバティブ金融派生商品)の一種で、もともとは機関投資家などのプロ向けに開発された金融商品なのですが、最近では個人投資家にも販路を広げており、デリバティブを利用することによって投資家や発行体のニーズに合ったリターンを生み出すことができるのですが、多くの仕組債にはオプションやスワップ取引が組み込まれているため、価格変動があった場合、大きく損失を出す可能性があり、あらかじめ設定された価格(ノックイン価格)を下回ると償還時に元本割れになります。

仕組債

また、仕組債の手数料体系は非常に複雑で、投資家中には割高な価格で購入している人もおり、仕組債の販売を見直す金融機関が増えてきています。

仕組債は、商品分類上、債券に分類され、将来の価格が予測できない株式とは異なり、債券は期間中に利息がつき、償還日には元本が100%戻ってくることになるのですが、仕組債は条件次第で元本が大きく減る可能性があるという特殊な金融商品で、元本がどのぐらい減額されるかは、仕組債ごとに指定された株価指数や個別銘柄など、仕組債とは無関係な各種指数の値動きに左右されます。

さらに仕組債の購入者は、デリバティブ金融派生商品)取引の一種であるオプション取引に自動的に参加することになり、株価を対象にした仕組債の場合、購入者はあらかじめ決められた「オプション料」を受け取り、株価が大きく下落した場合には損失を引き受けなくてはなりません。

仕組債は通常の国債や債券とはまったく異なる金融商品で、仕組債は適切なオプション料と金利水準を計算できるプロ向けの商品です。

論点体系 金融商品取引法<第2版>

法律関連出版物、各種データベースを提供する第一法規株式会社が「論点体系 金融商品取引法<第2版>」(全3巻)を発売。

論点体系 金融商品取引法<第2版>
論点体系 金融商品取引法<第2版>

金融法務に携わる弁護士は、判例ガイドラインを的確に把握し、クライアントに対して適切な助言をすることが求められ、そのためには、複雑な金融商品取引法の条文だけでなく、関連する法律やガイドライン判例や実務の動向にも精通する必要があります。

本書「論点体系 金融商品取引法<第2版>」(全3巻)は、金融商品取引法の主要条文について、判例と実務の現状を論点ごとに過不足なく解説していて、また独占禁止法会社法の改正に加え、各種ガイドラインの改訂にも対応しており、実務的な切り口から内容を把握することができます。

金融商品取引法をめぐる論点を過不足なく解説!

研究者と実務家の第一人者が執筆!金融商品取引法の主要条文について論点を抽出して解説しているため、正確かつスピーディな理解をサポートします。 ​

法改正や判例、各種ガイドラインの改訂に対応し、実務の動向を反映!

実務に影響のある各種ガイドラインの改訂にも対応。最新の裁判例や実務動向についても解説しているため、論点ごとに実務の現状をサッとつかめます。

気になる判例をサッと確認できる!

本文中の判例には、第一法規データベース『D1-Law.com 判例体系』の判例IDを記載。 論点の根拠となる判決全文・解説等をすぐに確認できます。 ※別途『D1-Law.com 判例体系』のご契約が必要です。

金融商品の勧誘・販売ルールの見直し検討

金融庁が高齢者向けの金融商品の勧誘・販売ルールを見直すのだそうですね。

現行であれば75歳以上だと商品の販売には支店の課長など役職者による事前承認が必要で、80歳以上となると翌日以降にしか契約できないことになっているのですが、新ルールでは個々人の認知能力に応じて柔軟に対応し、80歳以上であっても当日に契約できるようにしていこうとする方針のようで、この流れが日本において長寿化が進むなか、「年齢」が投資のハードルになっている現状を改め、高齢者の資産形成を後押しすることが目的なのだそうです。

金融資産
高齢者の金融資産

現在のルールは2013年にできたもので、日本証券業協会の自主規制と金融庁の監督指針では高齢者向けの勧誘・販売ルールを設け、これに沿って証券会社や銀行などが社内規定を作っており、75歳以上の顧客には商品販売にあたって営業担当者だけでなく支店の課長などの事前承認を義務付けるなど慎重な対応を行っており、記憶力や理解力が低下した高齢者が金融商品のリスクを十分に理解せずに購入するといったトラブルを防ぐ努力を行っていました。

まぁ高齢者を狙った悪質な契約が増えてきていましたから、このような施策はとてもいいことなのですが、近年では認知能力がしっかりしていて投資経験も十分な高齢者にとっては投資がしにくくなるという弊害も指摘され始めていて、このため、金融庁は21年以降に高齢者がそれぞれ能力に応じて投資しやすくなるよう、日証協の自主ルールと監督指針を見直すのだそうです。

ルール変更の前段階として、金融庁は20年にシステム会社や証券会社と協力し顧客の取引動向の把握やデータを分析する実証実験に取り組み、人工知能(AI)を用いて取引動向を精査し、認知・判断能力が衰えていないと判断できる高齢者の属性などを特定するようですね。

75歳以上でも現役の経営者などとして働いていたりする場合、十分な認知能力があるかどうかなどを調べるということらしいですけど、これ本当に機能するのでしょうかね?

どんな基準を設けるのかわかりませんが、この調査をベースに、契約時の説明の理解力や動作などを含めて認知・判断能力があると判断できれば、事前承認を不要にしたり、80歳以上でも当日契約ができるようにしたりすることを検討しているそうですけど、これ、丸まる運転免許にも当てはまりますよね。

池袋の暴走事故で、2人死亡、9人が怪我をした事故での元院長なんかであれば、事故を起こしていなかったら当日契約ができたりしそうで、ちょっと怖いですよね。

通産省工業技術院で院長をしていたというだけで肩書ありということで「認知・判断能力がある」ということにもなりそうですし、この辺はしっかりとした定義を行ってほしいですよね。

金融庁は認知能力を判断する基準をつくる際には、恣意性を排除した内容となるよう医療機関などの協力を得ることも検討しているということですが、それだけではちょっと足りないような気がしますよね。

個人的には「高齢者を食い物にしよう」という風にしか聞こえませんし、実際のところ現行のままでいいような気がするんですけどね。

かんぽ生命保険の不正販売問題もあったように明らかに高齢者が被害にあっている状況の中でこのような発想に向かうこと自体が恐ろしいですよね。

初心者のためのiDeCoデビュー講座

投資信託協会が、東京証券取引所との共催により、初心者のためのiDeCoセミナーを開催するようですよ。

セミナーは二部構成となっており、第1部では人気ファイナンシャルプランナーの井澤 江美氏がiDeCoの仕組みを基礎から徹底解説、第2部では井澤氏と投資信託運用会社によるトークセッションが行われるのだとか。

井澤江美
井澤江美

初心者の方にもわかりやすくiDeCo投資信託の魅力を伝えてくれるのだそうで「iDeCoをこれから始めてみたい!」「ちょっぴり興味はあるけどむずかしそう・・・」「既に加入しているもののいまいち理解が足りないかな?」という方であれば、なにかいいきっかけがつかめそうですね。

なお、当セミナーについては、特定の投資信託商品の勧誘や販売の推奨等を目的としたものではないのだそうですから、安心して参加することができそうですね。

【開催日時】2020年2月20日(木)18:30~20:00(受付開始18:00) 【場所】東京証券取引所ビル2階 東証ホール 【概要】 ・第1部 18:30~19:10 井澤氏によるiDeCoを中心にした講演 ・第2部 19:20~20:00 井澤氏及び佐藤氏との対談

【講師】 株式会社 家計の総合相談センター 代表取締役、株式会社 マネーリテラシー研究所 代表取締役 井澤江美氏 三菱UFJ国際投信(株) お客さまサポート部 チーフマネジャー 佐藤嘉伸氏

【参加費】無料 【定員】200名(先着申込順)申し込み

国債について

国債というのは国の借金ですから、国債を買うということは国におカネを貸すのと同じことなり、おカネを貸す理由は利息を稼げるからです。

国が額面100万円に対して100万円で国債を発行し、半年ごとに1万円の利息を払う場合、利率は2%で100万円貸して、100万円が返されるわけですが、その際に受け取る利息が1年間に2万円ということになり、これを、費やしたおカネの率で表すのが利回りです。

利回りは金利の一種で、金利は年率で表すので、2万円(1年あたりの利息)/100万円 (元本)=2%というのが、この国債の利回りということになります。

国債
国債

額面以外の価格で買う場合

この場合は、100万円で買った国債で100万円が戻ってくるため、計算は簡単だったのですが、同じく額面、つまり戻ってくる金額は100万円の国債で、利息が半年ごとに1万円支払われるものを98万円で買った場合はどうなるのでしょうか? 満期 (返済期日) は5年後です。

この場合、利回りは2%ではなく、1年あたりに受け取る利息は2万円なのですが、そのために用いたおカネは100万円ではなくて98万円だからです。

この場合、国債を買った人が受け取るおカネは利息だけではなく、98万円で買った国債なのに100万円が戻ってきますので、2万円も稼ぐことができるのです。

つまり、この国債の実質的な利息の額は、年2万円×5年=10万円と、98万円で買った国債が100万円で戻ってくる差額の計12万円です。

これを、98万円の元手で稼いでいるわけですから、率に直すと12万円/98万円=12.24%となります。

ただし、金利は年率で表しますから、これを1年あたりに直さなくてはいけませんので、12.24%を5年間で稼いでいるため、2.1%÷5年= 2.448…%となり、およそ2.3%がこの国債の利回りということになります。

クレジット・デリバティブ

クレジット・デリバティブというのは、比較的新しい種類のデリバティブなのですが、デリバティブという名が付いているとはいえ、どちらかというと損害保険に近いもので、保険事故に該当するのは、対象となる経済主体の倒産。

クレジットデリバティブ
クレジットデリバティブ
保険というのは損害が出ることによって、その損害を補償してくれる契約で、まず保険料を支払わなくてはならず、保険事故が起きて損害が出ることによって、保険金が支払われる仕組みとなっています。

クレジット・デリバティブの発想も原則的には同じで、ある経済主体が倒産して損害が出ると、その損害を埋め合わせてくれるのがクレジット・デリバティブで、当然のことながら契約が無料であるはずはなく、保険料に相当する金額を払わなくてはなりません。

とはいえ、保険とクレジット・デリバティブには1つ大きな差があり、保険は、事故が起きると実際に損害を受ける人しか入ることができず、赤の他人の家を対象とした火災保険に入ることはできませんし、その家の住人に生命保険をかけることもできません。

ところが、クレジット・デリバティブの場合、自分に損失がおよばない場合であっても、取引が可能となっており、Aという国が倒産しそうな場合を例にすると、A国の発行している債券を保有している人は、クレジット・デリバティブの取引をする ことで、実際にA国が倒産したときに、その損害の埋め合わせを受けることができます。 つまり相手方から、損害に相当する金額、いわば保険金が支払われるのです。

ただ、A国のクレジット・デリバティブを取引するうえでは、実際にA国の債券を保有している必要はなく、A国の債券を持っていない人、A国が倒産しても損をすることのない人が、同じようにクレジット・デリバティブの取引をすることができるようになっています。